変わりゆく高齢者介護

子育てを終えて40代になってから、夢を実現した女性はたくさんいる。マザーテレサに感動して福祉の仕事に就く決意をし、福祉の専門学校にも進学した人もいるだろう。しかし、日本社会で本格的に介護が職業として始まったのは2000年以降のことである。それまでは介護は各家庭における「嫁の仕事」で片づけられていたし、行政における介護職はあっても民間社会では特殊なものだった。身内のいない高齢者には行政がボランティアを募ってお世話をしていたのだ。

日本が世界に類を見ない勢いで高齢化社会へ突入したことで、国は介護職の養成機関を全国に作り専門技術者を育成したのだ。そのため、ホームヘルパーや介護福祉士などの資格が社会的にも認知されるようになってきた。今の40代といえば、結婚して子どもに恵まれ、子育てに夢中になっているころに、介護が一般社会に広まっていた時代なのだ。仕事として取り組むには、子どもが小さなうちは難しいが、手がかからなくなると若いころの夢の実現が可能となる。

時代は大きく変わり、介護の仕事は社会的にも認められるようになった。介護事業所も増えて、求人も多く、職場を探すのに手間がかからない。更に、職場も高齢者だけでなく障害者まで多岐に渡っており、自分の夢でもあった仕事に就ける可能性もある。資格を取得していくことでステップアップできるまでに制度化されているのだ。ホームヘルパーから初めて、40代の前半までに介護福祉士の資格取得目標を立てると夢の実現は目前となる。